ABC-INITの初心

ABC-INITの初心についてまとめました。

「初心」というと、ややおかしな響きに聞こえるかもしれません。どうして、ABC-INITを作ろうとしたのかについてまとめて記しておこうというこうことです。

「初心」に2つあります。

 1)「発見する喜び」

 2)「コミュニケーションの楽しさ」

結論としては、ユーザー(プレイヤー)の幸福につながると思っています。

【1】発見する喜び

子どもの頃から、私はパズルが好きでしたが、何が楽しいかについて考えたことはありませんでした。この文章を書くことを機会にして、考えてみました。

(ジグソー)パズルの一番のだいご味は「パチッ」と最後の1つがはまる瞬間の手応えです。ジグソー・パズルに限らず、多くのパズルで同じことが言えます。ここではそれを「ピタッ」とくる感じと表現します。

先日友人が、大学時代の先輩がパズルのデザイナーになっていると言って、その人の作品的な商品のパズルを持ってきてくれました。いくつかの金属製のブロックが車輪になるような形につながっていて、それを物理的に破壊せずに、ピースに分解するというパズルで、かなり難しいと感じました。巧妙にデザインされた知恵の輪という感じです。しかし、試行錯誤しながら、「ひょっとしたら・・」と思ってやってみたら、それを解くことができました。この場合も「ピタッ」とくるという意味では同じです。

ABC-INITでは、「ピタッ」というところに至るまでに3つのフェーズ(時間的段階)を通過します。

「第1フェーズ」では、プレイヤーが自分の頭の中にある単語セットから、次々と4文字単語を作っていく段階です。

「第2フェーズ」は、12~15種類の単語が出来上がった頃から始まります。頭の中の単語と目の前に残ったピースが合わない段階に入ります。ここを通過するには、頭の中を後から使うレファレンス(検索)用のリソースとして活用します。ですから、目の前のピースが主で、頭の単語は従の関係に変わります。目の前のピースをあれこれ入れ替えているうちに単語を発見することができると思います。

「第3フェーズ」は、残りのピースが4個~12個の段階からです。目の前のピースでは4文字単語は作れないため、既に作った単語から1つか2つを壊して、もう一度、考え直します。これを3~5回程度繰り返すと、「ピタッ」という瞬間に到達します。運が良ければパズル開始から10分前後で到達できます。

「第3フェーズ」の最終段階の「ピタッ」と来た瞬間に、プレイヤーの脳内で脳内快感(幸福感)物質のドーパミンが生成されているのだと思います。パズルを完成した達成感は、ドーパミンという成功報酬といえるかもしれません。

「第2・第3フェーズ」では、プレイヤーが知らない単語に遭遇することもあります。辞書などを手元に置いて使えば、英語を学習する機会にもなります。

【2】コミュニケーションの楽しさ

日本の学校教育では「~のための英語」ということで、「正しい使い方」を中心に学びます。そして、小学校から高校(大学)へと、年月が経つに従って「正しい英語」という意識が強くなります。

そのため、いざ英語で日常会話といっても会話を楽しむ余裕がなかなか持てなくなるのだと思います。それ以前に、多くの人は英会話を日常的に必要とする暮らしはしていません。英語を使いたい、英語を活かしたいと思っている人を含め、英語を使わないでいるうちに、英語を忘れる人が大半です。

2019年春、私はスペインに2カ月間旅行をしました。主なイベントはサンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路を歩くことです。45日間毎日平均で20kmを、荷物を背負って歩きました。その間、30か国、120人以上の人達と、「こんにちは」以上の何か会話をしました。30か国ですから、英語圏以外の人がかなり含まれます。ですから、しゃべってみると意外に「通じる」ということを体験できます。そして、自分と「同じ」「違う」ということを感じ、いろんな発見があります。それが、外国語を使って外国人とコミュニケーションする最大の楽しみだと思います。

コミュニケーションによる成功報酬として、脳内でオキシトシンという脳内物質(幸福感)が生成されるのだと思います。オキシトシンは他の人とのつながりを感じ、安定した心の状態になるときに生成されると言われます。

幸い、日本国内の街角で欧米系の外国人を見かける機会が増えたように感じます。2020年から小学校のカリキュラムの変更があり、学科として英語を小学生が学ぶことになりました。それに伴って、英語教員のネイティブ・スピーカーが増えたと思われます。先日も、市内の森林公園で偶然会ったカナダ国籍の若い男性2人と立ち話をしたときに、彼らは英語講師だと言っていました。また、コロナ感染症のパンデミック収束以降に欧米の人を中心に観光客が増えているとも言われます。

ABC-INITがカフェやバーでコミュニケーションのツール、おしゃべりのきっかけとして役立てば幸いと思っています。

【1】【2】の話をつづめて言えば、幸福感を感じられるということです。

そして、どちらの場合にも重要なのは、外側の刺激(誘発要因)と内側からの欲求や刺激とのバランスを感じ取るということです。「ABC-INITをやると幸せになれる」ということではありません。外からの刺激と内側からの刺激のバランスが取れたときに幸福感が感じられるので、プレイの内容が合わない人は、他のツールをお探しになることを強くお勧めします。

そして、英語能力を身に着ける(学校教育)過程だけではなく、むしろそれよりももっと日常的な場面に役立つことを念頭にABC-INITは作られました。


遊びをせんとや 生まれけん 

戯れせんとや 生まれけん

遊ぶ子どもの 声聞けば

わが身さえこそ ゆるがるれ 「梁塵秘抄」


これがABC-INITの「初心」です

ABC-INIT & α-NINJA

英語力を維持するためのパズル&ゲーム「ABC-INIT」とその普及版「α-NINJA」の紹介サイト。

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