知覚力を磨く②/愛知県美の名品②
美術を楽しむということと、美術鑑賞を通して知覚力や観察力を鍛えるということは、全く同じでもなければ、全く違うことでもありません。重なる部分の方が多いと思います。
さて、知覚力や観察力をなぜ磨くのかと考えること自体がその意味をより明確にしてくれます。思考停止とは、知覚力や観察力があまり働いていない状態です。
テンプレ(テンプレート)を利用した思考法は、便利ですが、思考停止に陥る危険性も持ち合わせています。思考停止とは程度の問題で、全く思考していないという意味ではありません。
テンプレートとはあるものの考え方の型のことを指します。フレームワークとも言います。
思考停止の危険性は、そのフレーム(枠)の外への意識が弱くなるということです。フレームが適正かどうかを意識することが大切です。その意識付けをする練習を「知覚力」「観察力」を磨くと言います
アメリカ東海岸にあるイエール大学の医学部生に観察力アップのトレーニングの授業をはじめたアーウィン教授は、(近現代の作品より)アカデミックな絵画の方がトレーニングに向いていると述べています。
この作品も、知覚力や観察力を磨くには良い作品だと思いました。常設展でよく展示されています。
作者:エドワード・ジョン・ポインター
写真提供:愛知県美術館
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