気づきの入口②/ロットとメドウズ

気づきの入口にはいろいろなものがあります。

1972年に「成長の限界」を発表したローマクラブの主要執筆者の1人がドネラ・メドウズです。システム・ダイナミクスというシステム理論の研究者です。

そこから2世代くらい若い世代のニューロサイエンティスト(神経科学者)のボー・ロットの考え方はシステム思考に通じます。

ロットの考え方の基本を簡単に図解すると以下のようになります。

人はエコロジー(環境)に影響を受けて変化し、エコロジーは人の影響を受けて変化する。ロットにとって「エコロジー」は自然環境の生物生態だけではなく、職場での人間関係をふくむ、広範囲にその人に影響を与える可能性をもったすべての要素が含まれます。

システム思考は上の図のような方法でシステムを図解します。数値を意識して物事(システム)の因果関係を把握するのがシステム思考です。

ドネラメ・ドウズは著書『世界はシステムで動く』(p18)の中で「システム思考とは、問題の根本現認が何かを見出し、新たな機会を見つける自由を与えてくれる思考法」と述べています。

ロットの考えとメドウズの考えを単純に足し算すると、人の問題の根本にはエコロジーがあり、エコロジーの問題の根本は人にあるということが分かります。

逆に捉えれば、エコロジーが良くなれば人は良くなり、人が良くなればエコロジーも良くなるという好循環が生まれます

システム(思考)を理解するいくつかのポイントがありますが、ヒエラルキーという考え方を理解すると、より広い視野から物事を観察できるようになります。

システム思考におけるヒエラルキーの概念は、例えば地球を最大のシステムとして考えた場合に、その下に気象など自然界のシステムや生物界の相互依存の生態系というシステムがあり、その中に人の社会というシステムがあり、・・・というように階層的にシステムがあり、相互に影響・補完しながら全体が動いている(変化する)と考えます。そして、よくある人の組織とは少し違って、上意下達ではなく、下のグループがより動きやすいように調整する動きを上位のグループがするのがより良く機能するシステムだと考えます。

VUCAの時代の社会に適応するためのスキルとして、俯瞰的思考(メタ思考)が重要視されていますが、システム思考のヒエラルキーの観点から、物事を観察すると新たな発見があるかもしれません。

『脳は「ものの見方」で進化する』ボー・ロット / 2017

『世界はシステムで動く』ドネラ・H・メドウズ / 2015


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