気になる論文/芸術家の眼の動き

絵画の観察法(鑑賞法)の本にときどき出てくる論文があります。専門教育を受けた人(芸術家)と一般の人で、絵画(写真)を見るときにどのような違いがあるかという実験についての論文です。

「 Expertise in Pictorial Perception: Eye-Movement Patterns and Visual Memory in Artists and Laymen 」February 2007 / Stine Vogt, Svein Magnussen

https://www.researchgate.net/publication/6448902

このような写真を見たことがある人もいるかもしれません。

写真の中の黄色の線が人の眼の動きの軌跡です。

横並び3つの写真の中央が一般の人で、右の写真が専門家の実験結果です。

視覚を通した認識(知覚)では、専門家のような見方をすると、よりよく気づくことができるようになると本に書かれています。

逆の見方をすると、一般の人の眼の動きが、普通の眼の動きと言うこともできます。

人は目から毎秒11,000,000ビットの情報を受信しています。そこから必要な情報を瞬時に選択する動作を知覚と言います。毎度、毎秒、専門家のような眼の動きをするのは無理でしょう。

理解すると良いのは、時間をかけて何かを観察するときには専門家のように意識的に視野を広げると良いという点です。

月に一度くらいの頻度で美術館に行って観察の仕方を意識して練習をすると、日常生活でも視野が広がります。興味のある方は、是非、美術館で1つの作品に5分以上、できれば15分間の時間をかけて観察してみてください。


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