気になる論文/絵画で観察力アップ①
前回のブログの1つめのゴリラの実験。CT画像にゴリラの図像を混入しても、放射線科医が気づかないというのは、現役の大学生でも同じ傾向にありました。そこで、イエール大学のアーウィン・ブレーバーマン教授があるひらめきから観察力トレーニングの方法を考案しました。ひらめきというのは「もしも医学部の学生たちに、絵画の評価レポートを書かせたら、何が評価基準かわからないので、目で見たものを次々に書き出すのではないか」というものでした。その直観は命中し、新しく考えられた観察力トレーニングの授業の履修者は観察力が向上したことが経年後の調査で証明されました。
『To see or not to see: How visual training can improve observational skills』
Irwin M. Braverman MD
イエール大学医学部の取組はアメリカ国内で関心が広がりハーバード大学などで同様の講座が作られるようになりました。他大学が、「美術作品を使った観察力トレーニング」をどのように評価したのか、オレゴン大大学の調査資料をネット上で見ることができます。
その中で「バイアスや思い込みを排して、客観的に、批判的に対象を観察するのに役立つ」と評価しています。
『Visual Thinking Strategies for Medical Students』
2016 the University of Oregon
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